完璧がバカらしくなる時

sunset

女は思った。
私は完璧でなければならない。
私の欠けている場所はどこだろう?

これとあれとそれかな?
それならこうすれば解決できる。
あ、欠けてるわけじゃなく、未完了のタスクでしかない。todoリストに振り分けておこう。

もっと他に圧倒的に足りない部分がある気がするが何だろう?

全容が見えてこない。
不安だ。心に大きな空洞がある。

中を覗けば真っ暗で何も見えないではないか。
昔漫画で見かけたあれだ。
「虚」的なもの。
なんて恐ろしいのだろう。

誰かが何かが私のこの空洞を埋めてはくれないだろうか?

こんな私が存在することは許されない。
なぜなら、他の人に危害を及ぼす吸血鬼のような危険な存在だからだ。

今日は飲んで寝てしまおう。

sunrise

女は朝の光で目覚めた。

私が完璧であることと、「虚」は何故結びついたのだろうか?

暗くて何も見えなかったら不安になっただけじゃないか?

不安になるから在りもしない化け物が生み出されるわけで直視すれば普通の日常の続きだ。

不安を生み出した原因は、私が完璧を求めたからだ。

「足りない」という化け物が生み出された。

女は完璧を目指すことがバカバカしくなった。

大陸の地図を見た時にデコボコして変な形だから完璧な滑らかなラインに整えたいとは思わないだろう。思ったとしても海の底ではすべて繋がっている。

昼も夜も自分のいる場所から見たら光の面と陰の面が交互にやってくるに過ぎない。

私は全ての中の一部だ。
私は満たされてる。

MIHOKO