京都の旅 おもに東寺のこと

様々なタイミングが合って、「いらっしゃい」と言われた気がして京都へ一人旅をした。

3つの目的があり、その1つが東寺にいく事だった。
空海さまにご挨拶をして、立体曼荼羅を拝観したかった。

東寺

東寺は平安京遷都とともに建立され遣唐使として密教を学んだ弘法大師空海に託されたお寺との事。

私は曼荼羅に興味を持ち、空海さまとのご縁も感じていた。

以前山上やすお先生から学んだ日本美術史のノートを振り返った。

■曼荼羅とは空海の教えが絵になったもの。両界曼荼羅は①金剛界曼荼羅図と②胎蔵界曼荼羅図があり二つで一つ。真言宗の教えが難しいから絵で表現した。それぞれ①人間らしい生き方。パーフェクトな生き方。②一人でも抜けたら意味がない。あなたのすべてを肯定。

■東寺は真言宗のお寺

■立体曼荼羅とは仏像で曼荼羅を表現したもの。

と記してあった。

不思議な体験

ただ曼荼羅を感じたいという思いだけだったけど、ただ事ではなかった。

まず、巻貝のような雲が只ならぬ気配を醸し出していた。

その後、目的の講堂で大日如来を中心に据えた立体曼荼羅を、金堂で薬師三尊と十二神将を厳かな雰囲気のなか拝観させていただいた。

五重塔の隣の瓢箪池に水色の空が映し出されて美しかった。

取り囲む石には魂が宿っている様にしか見えず

時に雨の雫が円を描きながら水面に映し出された景色を揺らす

という事が繰り返された。

水面に逆さまに映し出された景色をみてふと思った。

悟りに一番近い人とは、世間的に立派と言われるひとではなくむしろ人間の業という海で溺れかけても逃げず生き抜くひとであるかもしれないと。

空が巨大なエネルギーに包まれた。

帰りに木の葉がそよ風の中カサカサと鳴っていた。

最後に空海さまの像に心の中でお礼をして東寺から出た。

京セラ美術館

2つ目の目的、京セラ美術館は清々しい場所にあって

村上隆の作品は金箔の貼り方、透ける骸骨、全ての仕事が丁寧で美しかった。

最後の目的は絵の師匠のアトリエを拝見させていただく事。

帰宅後に私が最初にやったことは、筆と絵の具のチューブを磨く事だった。

MIHOKO