私が思う感情が動く作品の作り方~もしかしたら役に立つかもしれない話~

大前提として私が作品を創る時には、驚き 美しさ 感情が動いたものを画面に留めたいという動機があり、美術作品には見た方の魂が癒されるという使命があると考えています。

感情が動く作品

感情が動く作品とはどういうものでしょうか?

感情とはの心の動きです。

切ない、嬉しい、楽しい、苦しい、などというのは、人間が言葉として共通認識を持つためにカテゴリ分けした名称が付いているだけで本来ただ感じるものです。

そして何層にも重なり合っています。

波動、振動とも言い換えられるでしょう。

感情が動くというのはその振動に刺激が与えられることだと思います。

要素の整理

こちらは、グラスが映し出す光に心が動かされて撮影したものです。

私は完全な円の集合体の美しさ、明るさと暗さのコントラストのシャープさ、ブルーとオレンジの補色の対比の美しさを感じました。

でもそれだと情報が多すぎて感情の動きの方向性が定まりません。

モノクロにしてみました

ここでは、完全な円の美しさと明暗のコントラストのシャープさがストレートに入ってきます。

よく伝わると思います。

それでは、シャープな要素を取り除いて色を主役にしたらどうでしょう?

こちらはオレンジとブルーの補色の調和が美しいと表現できると思います。

臆せずに引き算をすることによって感情を揺り動かすことが出来ると感じています。

感情を動かすのは一つの要素

例えば、海を見てキラキラが美しいと感じたらキラキラを前面に押し出す

日没が切ないなと感じたら切ないに特化する

でも、絵を描くことは簡単ではありません。

1パーセントの一番伝えたいことを表現するために99パーセントの下ごしらえが必要なのです。

技術力であったり、画材の知識であったり、パースがとれる事であったり、水平垂直を失わない事であったり・・・

そうやって泥沼にハマりながら創ってゆく過程が最大の喜びであるのですよね。

MIHOKO